有田焼の特徴

焼き物の中でも最も有名な「有田焼」。

その名前は日本ばかりでなく、世界中にもとどろきあのマイセンにも影響を及ぼしたという有田焼。

では、そんな有田焼にはどのような特徴があるのでしょうか?

まるで可憐な少女のような磁器

有田焼の最も特徴的な部分は、その薄さと透き通るような白さです。

(写真)

焼物の顔であると言えるその白い下地。

この真っ白な下地があるからこそ、その上に描くどんな絵柄や模様が映えるのです。

また、同じ真っ白と言っても有田焼の白色いろいろな種類があります。もはや白を通り越して青っぽいような白色から、ぽおっと暖かい感じのする乳白色まで、作り方によって白色の表現が違ってくるのです。

この白い肌感を持つ有田焼は、その薄さであることも相まって、まるで可憐な少女のような雰囲気を持つ焼き物です。

ではなぜ、有田焼はこのように薄くて白い焼き物を生み出すことが出来たのでしょうか?

その理由は、有田焼は磁器であるからです。

磁器とは、ちょっと土っぽさの残る陶器に比較してみると、より現代的な感じのする白くてガラスっぽい薄さのもった焼き物です。それこそマイセンなどの洋食器は磁器に属するのでこれを想像すると分かりやすいでしょう。
そんな磁器を日本で初めて完成させたのが、この有田焼なのです。

まさに日本の磁器の源流なのです。

これが完成した江戸時代の初期の頃には、その技術を秘匿するために職人たちは山に籠もりきりで、外に出ることは藩の命によって禁じられていたと伝えられています。まさに長い時間と多大な努力の結晶と言えるでしょう。

日本の他の地域にも「京焼」や「九谷焼」などの磁器製の焼き物もありますが、これらが完成されたのは江戸時代も後期に入ってからなので、

この技術力の高さは世界にも通じるレベルであり、江戸時代に輸出をされたものは欧州でも人気が高く、上記のようにマイセンなどの洋食器にも影響を与えました。また、現代有田焼の熱烈なコレクターが居ることにもその人気の高さが伺えます。

ちなみにこの輸出された有田焼なのですが、外国においては伊万里港から輸出されたことに由来して「IMARI」と呼ばれています。古い骨董価値のある有田焼のことを「古伊万里」と呼ぶのもそのためです。さらには現代において伊万里で焼かれたものは「伊万里焼」と呼ばれているため、この辺りの分類はちょっとややこしいことですよね。